最終選考委員・アンバサダー(応援大使)
最終選考委員
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いしい しんじさん(作家)
これまで、さまざまな作品が寄せられてきました。職人の葛藤、野球に懸けた青春、映画への情熱、外国人の彷徨、平安貴族の恋、幕末の志士たちの声、大学生の与太話・・・。すべてをうけとめる、希有な場が京都です。今回はどんな物語が、この街をいろどるのでしょう。
プロフィール
1966年大阪市生まれ。京都大学文学部仏文学科卒。94年『アムステルダムの犬』(講談社)でデビュー。『麦ふみクーツェ』(理論社)で第18回坪田譲治文学賞、『ある一日』(新潮社)で第29回織田作之助賞、『悪声』(文藝春秋)で第4回河合隼雄物語賞など著作多数。2019年『マリアさま』(リトル・モア)、21年『源氏物語』の「京ことば」訳『げんじものがたり』(講談社)、『100ものがたり』(橙書店)、22年『書こうとしない「かく」教室』(ミシマ社)、『まあたらしい一日』(BL出版)を刊行。現在、京都市在住。これまで「明倫レコード倶楽部」(京都芸術センター事業)のほか、京都の書店と連携したイベントに多数出演。 -
©若木信吾
西 加奈子さん(作家)
例え皆が見知ったもののようでも、あなたが書くことで初めて存在する景色や出来事があるはずです。そんな京都を、そして世界を読みたいと思っています。
プロフィール
1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』(小学館)でデビュー。『通天閣』(筑摩書房)で第24回織田作之助賞、『ふくわらい』(朝日新聞出版)で第1回河合隼雄物語賞、『サラバ!』(小学館)で第152回直木三十五賞、『くもをさがす』(河出書房新社)で第75回読売文学賞随筆・紀行賞等を受賞。他の著書に『さくら』(小学館)、『きいろいゾウ』(小学館)、『円卓』(文藝春秋)、『漁港の肉子ちゃん』(幻冬舎)、『i』(ポプラ社)、『夜が明ける』(新潮社)など。23年に短編小説集『わたしに会いたい』(集英社)を刊行。 -
校條 剛さん(作家・評論家)
これまで四回の受賞作のジャンルは、歴史時代もの、純文学現代もの、ファンタジー現代もの、そしてエンタメ現代ものと多彩であることが分かります。つまり、京都文学賞は殆どすべてのジャンルに門戸を開いているということになるのです。応募のジャンルで迷っているあなた、得意ジャンルで勝負すればいいのですよ。
プロフィール
1950年東京都生まれ。73年早稲田大学卒業後、新潮社入社。元「小説新潮」編集長。「日本推理サスペンス大賞」、「新潮ミステリー倶楽部賞」など複数の文学賞の創設を主導。2014年から5年間、京都造形芸術大学「文芸表現学科」教授。著書に『ザ・流行作家』(講談社)、『作家という病』(講談社現代新書)、『にわか〈京都人〉宣言』(イースト・プレス)、『小説作法の殺人』(祥伝社)、『富士日記の人びと』(河出書房新社)など。編著に『小説を書きたい人の本』(成美堂出版)がある。
アンバサダー(応援大使)
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©迫田真実
綾辻 行人さん
伝統と尖端の、つまりは古いものと新しいものの、不思議なバランスあるいはアンバランス。それが京都というこの町の、大きな魅力のひとつだと思います。同様の魅力を持った傑作が「京都文学賞」から生まれることを期待しています。
プロフィール
1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒、同大学院修了。87年に『十角館の殺人』(講談社)で作家デュー、「新本格ムーヴメント」の嚆矢となる。92年『時計館の殺人』(講談社)で第45回日本推理作家協会賞を受賞。『迷路館の殺人』『暗黒館の殺人』(講談社)など「館」シリーズと呼ばれる一連の長編が人気を博し、現代本格ミステリーを牽引する役割を果たす。他に『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』『Another』(角川文庫)などの著作がある。2018年度には第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。20年9月『Another 2001』(KADOKAWA)刊行。 -
©文藝春秋写真部
川越 宗一さん
京都という街は長い歴史がありつつ、今もたくさんの人が住み、発展や変化を続けている場所です。皆さんが作品という形で写しとった唯一無二の場所に出会えることを、楽しみにしています。
プロフィール
1978年鹿児島県生まれ、大阪府出身。京都市在住。龍谷大学文学部史学科中退。2018年『天地に燦たり』(文藝春秋)で第25回松本清張賞を受賞しデビュー。短編『海神の子』(「オール讀物」同年12月号掲載)が日本文藝家協会の選ぶ「時代小説 ザ・ベスト2019」(集英社文庫)に収録(同作品は、21年文藝春秋から刊行)。19年刊行の『熱源』(文藝春秋)で第10回山田風太郎賞候補、第9回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞、第162回直木三十五賞受賞、20年本屋大賞ノミネート。23年刊行の『パシヨン』(PHP研究所)で第18回中央公論文芸賞受賞。19年京都府みやこの文化輝き賞、20年京都市文化芸術きらめき賞を受賞。 -
澤田 瞳子さん
京都は古いものも新しいものもよく似合う不思議な街です。ゆえにそこに生まれる物語もまた、無限の可能性をまとったものとなることでしょう。これまでの受賞作同様、今回の「京都文学賞」もまた未知なる京都を読者に示してくれることを強く願います。
プロフィール
1977年京都府生まれ。同志社大学文学部卒、同大学院文学研究科博士前期課程修了。奈良仏教史の研究に携わった後、2010年『孤鷹の天』(徳間書店)で小説家デビュー。翌年、同作で第17回中山義秀文学賞を、12年の『満つる月の如し 仏師・定朝』(徳間書店)で第2回本屋が選ぶ時代小説大賞及び第32回新田次郎文学賞をそれぞれ受賞。16年『若冲』(文藝春秋)で初めて直木三十五賞候補となり、翌年、同作で第9回親鸞賞を受賞。21年『駆け入りの寺』(文藝春秋)で第14回舟橋聖一文学賞、『星落ちて、なお』(文藝春秋)で第165回直木三十五賞を受賞する。他の著書に『火定』(PHP研究所)、『落花』(中央公論新社)、『輝山』(徳間書店)など。23年『月ぞ流るる』(文藝春秋)、24年『のち更に咲く』(新潮社)を刊行。20年に京都市芸術新人賞を、21年に京都市文化芸術きらめき賞及び京都府あけぼの賞を受賞。同志社大学客員教授。 -
凪良 ゆうさん
京都文学賞は開催の回数を重ねるとともに、受賞作の幅が広がっているようで、それが京都という街の奥深さと器の広さなのでしょうか。今年も新しい作品を読ませていただくことを楽しみにしています。
プロフィール
京都市在住。2007年に初著書が刊行され本格的にデビュー。BLジャンルでの代表作に『美しい彼』シリーズ(キャラ文庫)など多数。17年に『神さまのビオトープ』(講談社タイガ)を刊行し高い支持を得る。20年『流浪の月』(東京創元社)で本屋大賞を受賞。『滅びの前のシャングリラ』(中央公論新社)で2年連続本屋大賞ノミネート。直木三十五賞候補、吉川英治文学新人賞候補などに選ばれた『汝、星のごとく』(講談社)にて、23年に自身2度目となる本屋大賞を受賞。 -
©佐山順丸
藤野 可織さん
この土地にずっと住んでいる者として、予想もしなかった京都を見せてもらえるのを楽しみにしています。どんな京都でもだいじょうぶです。もしかしたら新しいそのイメージが、京都のスタンダードになっていくかもしれません。
プロフィール
京都市生まれ。同志社大学大学院修士課程修了。出版社勤務を経て、2006年「いやしい鳥」(『いやしい鳥』河出文庫)で第103回文學界新人賞を受賞し、作家デビュー。13年「爪と目」(『爪と目』新潮文庫)で第149回芥川龍之介賞を受賞。14年『おはなしして子ちゃん』(講談社文庫)で第2回フラウ文芸大賞受賞。他の著書に『ドレス』(河出文庫)、『私は幽霊を見ない』(KADOKAWA)、『ピエタとトランジ〈完全版〉』(講談社)、『来世の記憶』(KADOKAWA)、『青木きららのちょっとした冒険』(講談社)など。13年京都市文化芸術表彰(きらめき賞)、京都府みやこの文化輝き賞及び京都府あけぼの賞受賞。16年京都府文化賞奨励賞受賞。22年京都市芸術新人賞受賞。京都文学レジデンシーアドバイザーを務める。 -
望月 麻衣さん
第五回の開催おめでとうございます。引き続き応援大使をつとめさせていただくことになり、とても嬉しく思います。京都はどんな物語も受容してくれる、歴史もロマンも情緒も仄暗さもある町。ぜひ、あなただけにしか描けない『京都小説』を楽しみにお待ちしてます。
プロフィール
北海道出身。2013年から京都に移り住む。同年、インターネットの小説投稿サイト「エブリスタ」で第2回電子書籍大賞を受賞。主婦の友社にて書籍デビューを果たす。『京都寺町三条のホームズ』(双葉文庫)が16年度の第4回京都本大賞を受賞し、漫画化、テレビアニメ化される。他の著書に『わが家は祇園の拝み屋さん』(角川文庫)、『京洛の森のアリス』(文春文庫)、『太秦荘ダイアリー』(双葉文庫)、『託された子は、陰陽師!?』(ポプラ文庫ピュアフル)、『満月珈琲店の星詠み』(文春文庫)、『京都船岡山アストロロジー』(講談社文庫)、『旋律 君と出逢えた奇跡』(双葉文庫)など。23年『京都梅咲菖蒲の嫁ぎ先』(PHP文芸文庫)、『京都東山邸の小鳥遊先生』(ポプラ社)、24年『仮初めの魔導士は偽りの花』(角川文庫)を刊行。
※最終選考委員、アンバサダーのプロフィールは、令和6年6月21日時点